SJF学会 広島支部〜hiroshima・yamaguchi・shimane〜


関節ファシリテーションの定義


 関節ファシリテーション(Synovial Joints Facilitation、S.J.F.)とは、関節運動学(Arthrokine-matics)及び、関節運動力学(Arthrokinetics)に基づき、関節内運動(Intra‐articular move-ment)とCloseを利用して関節機能異常を治療し、自動・他動運動における関節の動きを量的・質的に改善する運動療法技術である。


関節について


Hip Jointは股関節、Knee Jointは膝関節、Ankle Jointは足関節またAKAの中でJoint Dys-fanctionを関節機能異常と翻訳してきた。ちなみにJFはJoint Facilitationを関節ファシリテーションとしてこれまで使用してきた。
 このようにJointという英語を「関節」と訳し、可動性のある結合の意味で使用してきたが、これは次の日本語の解剖学書における「関節」の定義に基づいたものである。

関節とは

骨と骨とを可動的に連結させる部分。
両骨の相対する面には軟骨の薄層があり、関節の周囲は骨膜の延長である結合組織性の丈夫な膜で包まれ、内部は滑液で満たされている。

ところが英語の解剖学書ではJointは次のように分類されていて、Jointsには必ずしも可動的なもののみではなく、全く動かないものも含まれている。

JOINTS by Gray 's Anatomy

1.fibrous joint(全く動きの少ない線維性の連結、synarthroses)
2. joint(少し動く軟骨性の連結、amphiarthroses)
3.synovial joint(自由に動く滑膜性の連結、diarthroses)

以上のことより日本語の「関節」に充当する英語は Synovial Joints, あるいは Diarthroses ということになる。

日本語では慣用でJoint を関節と翻訳してきているが、本来の翻訳としては「連結」とすべきである。

今後とも引き続いてこれらの用語を使用していくならば、定義に基づく用語の使用をしたほうが正当であろう。

そこで関節ファシリテーションはDiarthroses(DF),とするかSynovial Joints Facilitation(SJF)とするかということになる。

これまで使用してきたJFを全く異なる用語に変更すると混乱が生じると思われるため、JFを残し、Synovial Jointsを関節と訳せば矛盾は生じず、今後は Synovial Joints Facilitation,(S.J.F.と略 ) とすることにした。

                 
                                関節ファシリテーション学会 会長 宇都宮 初夫